フォトミックファインダー(DP-1)ゲット&修理しました

入手したF2フォトミックASは、ワンタッチ(死語?)でレンズ交換ができる最新型で(とは言っても45年も前の話)とても便利なんだけど、Ai化以前のファインダが使いたくなってきた。この動画を見ると蟹爪のファインダ連動ピンへの結合音が実にいい感じ。そこで、手頃な耐摩耗対策済みDP-1を物色しヤフオクにて5,780円で落札。

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DP-1を装着したNikon F2

 届いたDP-1は比較的綺麗だったけど2つ気に入らない点があった。一つ目は銘板のわずかな凹み。写真は修正済みなのでわからないけれど、NikonのNの左側スペースにわずかな凹みがあった。2つ目はファインダー内のシャッター速度表示の傾き。

 1つ目の凹みについては、車の凹み修理と同様、銘板を外して裏から叩き出すこととした。メラミン樹脂コートされた木の板がよいとのことなので、机の上にて竹箸を切断した棒を銘板の裏側に当てながら金槌で叩いた。銘板自体は両サイドの2つのネジを外すことで取り出せるが、DP-1の場合、銘板の下が蟹爪連動ピンに干渉するので、ピンをうまく避けながら外さなければいけない。上の写真のように銘板の凹みはまずわからなくなった

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 2つめの問題はシャッタ速度表示の傾き。下の写真でわかるように、シャッター速度表示(1/8秒)が左傾斜し「8」の下端が切られている。機能的には全く問題がないけれど、どうにも気になる。

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 色々調べているうちに"learn Camera Repair"なるページがあり、DP-1、DP-11のシャッター速度表示ズレ調整方法のドキュメントををついに見つけた。ファインダを分解することなく調整が可能である点が素晴らしい。調整中に調整ネジからドライバを離すと修復不可能になるリスクがあるものの、この点のみ十分注意して行えば調整は簡単。下の写真のように傾斜は解消できた。

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とまあ、満足のゆく修理ができた。

 ラッキーだったのは、露出計が正確で、明所から暗所まで手持ちのDP-12(フォトミックASファインダ)と同じ露出値を示していること。蟹爪遊びのつもりで買ったが十分に使える。当たりをひく可能性もあるので、念の為に摩耗対策済みと思われる後期モデルを選んだのも良かった。多少の擦り傷はあるものの外装も綺麗で角部の塗装剥がれなどもない。DP-12との比較では、直読式でなく採光式表示が装備されているので絞り値が見やすいのが良い。

 肝心の蟹爪との連動だけど確かにこれは楽しい。意味もなくレンズをつけたり外したりしたくなるのもわかる。

  1. レンズをマウントに装着しレンズ固定ピンがレンズ側に入った時の「チャッ」
  2. 絞りリングを小絞り側に動かし、蟹爪連動ピンが上に押し上げられ標準位置まで戻った時の「ガチッ」
  3. さらに絞りリングを回して、蟹爪連動ピンが蟹爪溝に入った時の「チャッ」
  4. レンズを解放絞り側に回した時の開放F値表示機構のラチェット音「チチチチ」

こりゃ、たまりませんね(笑)